NO IMAGE

イギリスのEU離脱はいつ?なぜ離脱に至ったのかメリットデメリットと今後の展望も考察

(3月28日加筆)メイ首相の思惑通りには中々なりませんね。

イギリスがEUを離脱する!と宣言し、国民投票を行ってから早2年半。2016年当時のキャメロン首相がやっちまった国民投票でまさかまさかの「離脱派」が多数にまわり、気が付けばあれよあれよという間に離脱が決まったわけですが。

待てど暮らせど、なかなか離脱しない。「2019年3月29日に離脱」となっていたものの、相変わらず議会とメイ首相がすったもんだして、結局6月に延期。

それすらも条件付きと言う事なので、正直何が何だか分からん!

という状況になってきたので、自分的にも整理するために、ここまでの流れや影響なんかをまとめてみました。

イギリスのEU離脱って結局なんなん?って方は是非ご一読を。

そもそもの原因

そもそもなんでイギリスはEUから離脱しようと思ったのか。時は2016年まで遡ります。

溜まっていくイギリス国民のフラストレーション

当時イギリスはEUに対して毎年2兆円近い予算負担金を納めていました。それに対しての予算執行率はその半分にも満たないもので、完全なる赤字状態。

それに加えて細かすぎる規定や、貧国からの移民の受け入れ要請。

こちらが「来てください」と言ってないのに勝手に来る奴らに碌なのはいないのは、万国共通らしく、

移民のせいで働き口は減るわ、移民に合わせて賃金水準は下がるわ、で経済は下降。

訳の分からない主張をしだしたりと一部では治安を乱す始末。

加えて高校無償化なんかの社会保障制度が、税金を払っていない移民にも適用されるから、財政を圧迫。

いざ国民投票へ

そんな事態に目を付けたのが、ファラジールというオッサン。

イギリス独立党の党首である彼の発言は、

「俺たちの生活が苦しいのは全て移民のせいだ!」

「二兆円の負担金はすべて自国内の社会保障に回すべき!」

「俺たちの国のルールは俺たちで決める!」

と少々過激な物があったものの、実際フラストレーションの溜まったイギリス国民には、かなり響いたようです。

そんなファラジール氏の発言を後押しするように、国民からは「EU離脱」の声が高まってきました。

そんな世論を押さえつけるために、当時の首相キャメロンはあえて「国民投票」に踏み切ります。

なぜそのような行動に移ったかと言うと、キャメロン首相に、

声を上げているのは一部の人だけ。彼らの声が大きいだけで、国民の総意は離脱ではない。

国民投票をする事で、EUに対して不満があるというアピールをすることが出来る。上手くいけば負担金の優遇なんかも有ったりするかも。

という思惑があったからです。

ついに国民投票へ

そんなキャメロン首相の思惑を乗せて、ついに実行された国民投票。

投票に来た国民の多くにも勿論思惑がありました。

流石に離脱はないけど、少しでも不満が解消できればいいな。脅すつもりで離脱に入れてやろう。

まさか自分以外にも同じような事を考えている人が多数を占めているとはつゆ知らず、どんどんと入れられていく「離脱」の票。

つまりこういう事。

首相→ちょっとEUを脅したるか。

国民→ちょっと政府を脅したるか。

その結果「国民投票で離脱派が上回りました」

首相・国民「ファッ?」

こうしてイギリスの後悔と言われる造語ブレグジットという言葉と共に、長い道のりが始まりました。

後悔って言うけど、投票前のデメリットを解消できるんじゃないの?

ブレグジットだなんだと言うけど、実際迷惑を被っていたわけだし、そこを解消できるからいいのでは?と思いがちですが、果たして本当にそうだったのか、EU離脱のメリットデメリットを詳しく解説します。

EU離脱のメリット

まずこれ以上移民が流れてくることはないです。

雇用や賃金水準の引き上げなんかも期待できるでしょう。

負担金の免除。

EU内で農工業が発展途上の国には支援金として多数のお金が出ますが、イギリスのような国はほとんど出費ばかりなので、このお金を自国に回せるのは大きいメリットでしょう。

まあ、最初に行っていた離脱の理由を解消出来るあたりがメリットでしょうか。

EU離脱のデメリット

5億人にものぼるといわれる巨大な経済圏、EU。その玄関口を務めていたのが、イギリスです。

イギリスは英語圏。アメリカや日本の多くの企業が、英語の通じるイギリスに支社を置き、EUでの商売の窓口としていました。

ですがイギリスがEU離脱を決めたため、関税などの影響を考慮し、すでにいくつかの企業がイギリスからの撤退を始めています。

雇用の確保どころか、雇用先がなくなりかねない状況になってきています。

また、問題となっていた移民ですが、実際は働き手が増えたことで、イギリスの経済は伸びを見せ始めていました。移民が経済を支えている。とまで言われていたほどです。

更にイギリスはEUにありながら通貨、国境の二つにおいて特殊な国でした。

通貨はユーロではなくポンドを使用していたことで、自国に通貨発行権を置いたままのその状況は、他のEU諸国と比べ、金融政策もある程度自由に出来ていました。

国境においては、他のEU諸国と違いシェンゲン協定(人の出入りを自由にする協定)には参加せず、イギリスに入るにはEU加盟国であってもパスポートが必要なため、ある程度の危険因子は排除できる立場にありました。

結論:後悔先たたず

敵視してきたはずの移民が経済を盛り立て、EUにいたからこその企業の誘致が可能だったなど、EUに染まってしまったイギリス経済にとって、EU離脱はかなり痛手と見えます。

国民投票後には世界経済も混乱を見せ、先行き不透明さから円買いのユーロ・ポンド売りが先行し、一時的に円高がかなり進むという事態になりました。

円高の煽りを受けた日本企業の業績悪化を懸念し、今度は日本企業の株が売られる流れになり、日本経済にも少なくない影響を与えました。

後悔先たたずは分かったけど、決まった事なのに、なぜ離脱が先延ばしに?

そもそも、離脱をするといっていきなり「一抜けたー!」が出来るはずもなく、EUでも「EU条約第50条」という物があります。

EUを離脱する場合のプロセスをまとめたものですが、この中に離脱までの期間として2年間というものがあります。

現在はその期間なのですが、本来その期間内に行われるべき交渉事が進んでいないため、連日ニュースで取りざたされている状況です。

具体的にはEU、イギリス双方とも合意の上での離脱を行いたい所なのですが、その合意が難航している状況です。

メイ首相とEU側で合意に達した離脱案ですが、その案は英国の議会で否決され続けているのが今の状況です。

なぜイギリス議会は離脱案を認めないのか

メイ首相とEUでの合意がなされた離脱案ですが、これ以上ないと言うくらいお互いが譲歩したものでしょう。

ですが、そんな離脱案、更には修正案までもが英国議会に否決されている状態です。

その背景には、イギリスとアイルランドとの根強い問題があるのですが、問題視されている内容は、関税の部分について。

アイルランドに隣接する英領北アイルランド地域のみEUとの単一市場の関税制度に残すという物。

「国家を分断される!」と不満が上がるので、じゃあ、イギリス全土の関税制度をEUと同じにしましょう。と言うと、「それじゃいつまでたってもEUから離脱出来ん」とお手上げ状態。

合意無き離脱になった場合の影響は?

「合意なき離脱」が起こった場合、まず今までなかった税関手続きなどが発生します。

そうなってくると、輸入にどのくらい時間がかかるかわからないため、イギリス国内で商品の品切れや物価の高騰などが発生する恐れがあり、生活や経済活動に大きな影響がでる可能性があります。

国民投票後に起こったような円高なども進むかもしれません。

とにかく起こってみないと分からないほど、先行き不透明な離脱が「合意なき離脱」です。

今後の見通しはどうなるの?

今月29日に離脱の期日が迫るイギリスですが、昨日(20日)の議会でメイ首相がEU側に離脱延期を求めたと声明を出しています。

同時にイギリス議会に対して、合意離脱案の採決も取る見通しです。

ただこの離脱延期の声明ですが、21日、22日に行われるEU首脳会議で反対されれば、そのまま合意無き離脱へと大きく舵を切ることになりそうです。

EU側は離脱延長には合意離脱案の可決が必須との声明も発表している事から、この一週間でこの不透明な流れに決着が着くのか、イギリスの正念場です。

20日に出された修正案ですが、未だイギリス議会からの返事はありません。

EU側は離脱修正案の可決こそが離脱延期の条件と言う姿勢は崩していないので、このまま返事がなければ合意なき離脱と言う事になりそうです。

今後の流れが予想される日時ですが

仮に修正案が否決された場合

4月12日をリミットに合意なき離脱となる可能性が高そうです。

この理由と言うのは、4月12日がEU議会選挙の公募締め切りになるためです。

仮に修正案が可決された場合

5月22日がリミットとなり、離脱案にのっとった形での離脱になりそうです。

これは前述したEU議会選挙が5月23日から行われるため、そこか迄に離脱を済ませていなければならないためです。

離脱回避の可能性は?

イギリスでは100万人規模でのデモがあるくらい、一部国民の中では離脱へ反発する動きが広がっています。

ですがメイ首相は「離脱を完結させることが政権の役割」と言い切っているため、よほどのことがない限り離脱を回避する事は難しいでしょう。

離脱を10月まで延期

もうさっさと離脱してしまえよ!と言いたい所ですが、ここは落ち着いて、分かっている事をまとめると、

  • EU離脱は「最長10月31日まで」、かつ離脱協定の批准に「必要な期間だけ」延期される
  • イギリスは5月23日の「欧州議会選挙に参加しなくてはならない」。参加しなかった場合、イギリスは6月1日にEUを離脱する
  • 欧州理事会は、離脱協定の再交渉はしない

今のところ10月31日までは猶予がある状態ですが、実際の所期限が伸びただけで、「合意なき離脱」がデフォルトであるのは変わっていません。

統一地方選でどう変わる?

5月2日に行われたイギリスの統一地方選挙で「EU残留派」の勢力がかなり議席を獲得したようです。

欧州司法裁判所(ECJ)は昨年12月に、イギリスは一方的に50条を撤回し、EU離脱を取り消せるとの判断を下しています。

残りの加盟27カ国の同意も不要だというこの判断が現実味を帯びてくるかもしれません。

「EU離脱中止」なんて事にもなれば、それは新たな「ブレクジット」ではないのかと思うのですが、イギリスの国民がそれでいいのであれば、いいのでしょう。

……ただフランスあたりからはめちゃくちゃ抗議が来そうですが。

また何か動きがあれば追記していきます。

ではまた、次のニュースで。