2018年の6月頃に一時話題となったコインハイブと言う聞きなれないワード。
今回そのコインハイブ絡みで起訴されていた男性が無罪となり、再び話題を集めています。
そんな中、このコインハイブと言うワードが聞きなれなかったので、
- コインハイブとは
- なぜ問題なのか
- 今後どうなるのか
について知らべてみました。
コインハイブとは何か?
コインハイブとは運営しているサイトの中にコードを埋め込み、そのサイトにアクセスしたユーザーのPCのパワーを使って、仮想通貨である「Monero」のマイニングを行うというものです 。
ハイまた知らない単語が出てきましたよ。……マイニングです。直訳したら「採掘」ってことでしょうか。
とりあえず「マイニング」に関してはこちらで詳しく説明していますが、簡単に説明すると、仮想通貨の新規発行(仮想通貨の採掘)を手伝い、その手数料を貰うようなイメージです。(本当に簡単な説明なので、詳細と若干のずれがあります)
つまりコインハイブとは、
他人のPCの力(CPUパワー)を使ってマイニングする(手伝いをして手数料を貰う)と言う事になります。
何が問題になっているの?
今回の事件で焦点となっていたのが、「不正指令電磁的記録に関する罪」の解釈になります。
他人のPCのCPUを勝手に使っているのがこの法律に触れているのでは?という所が問題になっています。
この法律を詳しく解説すると、
正当な理由がないのに、人の電子計算機(コンピュータ)における実行の用に供する目的で、刑法168条の2第1項各号に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した場合、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される(168条の2第1項)。同項各号に掲げられた電磁的記録とは、
- 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
- 前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録
の2種類である。典型的には、コンピュータウイルス等のマルウェアが想定されているため、「ウイルス作成罪」ともよばれる。
Wikipediaより
と言う内容になります。要は、アクセスしてきたユーザーの意図に反して勝手にPCが動作するようなプログラムはダメよというところでしょうか。
法律として上記のように定められているので、意図せずマイニングをさせられるサイトを作るのは、そのまま違法となるようにも思えます。
なので、今回摘発されたのは問題ないのでは?と思いたい所なのですが、
実際コインハイブに限らず、ネット上のサイトではさまざまなプログラムが動いていることが常です。
例えば広告や解析などもユーザーにとっては「意図に沿ったものではない」場合が多々あり、どこからどこまでが「意図に反する動作」と解釈されるのかが不明瞭であるのが実情です。
実際今回の摘発から起訴にかけては、この曖昧な線引による警察の独断での摘発になっています。
今回摘発された方はこの問題から異議申立てを出し、無罪を勝ち取ったと言う事になります。
つまり今回問題となっているのは、コインハイブがこの法律の曖昧過ぎる解釈の外にあるか内にあるのかと言う事でした。
今後どうなることが予想される?
一応今回裁判所が無罪判決を下したことで、コインハイブの設置に関しては現状違法性はないとの見方が出来るようになりました。
しかしながらウイルス対策ソフトによっては、ウイルス検知されてしまいサイトに入れないと言う事もあるようです。(実際私は入れませんでした)
いくら違法ではないからと言って、知らず知らずに自分のPCのCPUを使われるのはあまり気持ちのいいものではないのも事実です。
ですが、多くのサイトがそうであるように、なんの収入もなく、サイトの運営をすることは困難です。
そのため、皆さんが鬱陶しいと思うような広告が出たりするわけですが、コインハイブの唯一の利点として、その広告を表示しなくても、収入を得られるようになる可能性が高いと言う事です。
ユーザー目線からしても、見たくもない広告を見せられることが減るというメリットもあります。
今回裁判所の判決をうけて、これからコインハイブを設置するサイトが増えてくる可能性は大いにあり得るでしょう。
まとめ
今回は再び話題となったコインハイブについて書いてみました。
知らないうちに自分のPCのCPUが使われているというのは気持ち悪いですが、流石にこれを違法としてしまうと、多くのサイトをダウンさせなければならないため、今回の裁判所の判断は正しい気がします。
ただ、一ユーザーとしては、知らず知らず使われるより、サイトの分かりやすいところに「コインハイブ設置してます」的なアナウンスは欲しいですね。
そうすれば、ユーザーが意図してサイトを選ぶことが出来るため、今回のような解釈違いでの摘発もなくなるのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。ではまた次のニュースで。