英語民間試験の導入はなぜ延期?問題点や経緯をまとめてみた!

こんにちは。

2020年から導入を目指していた大学入試における英語の民間試験化ですが、萩生田光一文科相の発言をきっかけに、いたるところから反発の声が上がった事で延期が決まりましたね。

萩生田文科相のせいみたいなイメージがありますが、元々問題点を指摘され続けていた物だったので無理やりに実施とならなかっただけ良かったのかもしれません。

とは言っても、そのつもりでいた受験生からしたら

これをやりまーす!

やっぱやめまーす!

は困りますよね。

 

今日はそんな受験生の溜飲が少しでも下がればと思い

  • なぜ導入が見送られたのか
  • 問題点は何なのか
  • 今後はどうなるのか

等を調べてみました。

 

英語民間試験とは

そもそも英語民間試験ってよく聞くけど、どんなものなの?

と言う方に簡単に説明します。

英語民間試験とは

現行の大学入試センター試験の後継となる共通テストの英語で導入される予定の試験。

今までの「読む・聞く」だけのセンター試験に対し、「書く・話す」の技能を加えた4つの能力を問うため、英検を始めとした7種類の試験を活用し実施する予定で

2020年4~12月の間に、2019年現在の高校2年生相当の子ども達が最大2回受験し、大学入試センターから成績を大学側に提供する仕組みでした。

今までのセンター試験と比べ、受験生側に試験選択の幅があったり、総合的な英語能力を見たりと大きな違いがありますね。

ちなみに英語民間試験は、大学入試共通テストと言われるプロジェクトの一環になっています。

このテストでは現行のマークシート問題に対し、国語や数学も記述式の問題が出される予定となっています。

 

英語民間試験の種類は?

英語民間試験の種類は全部で6団体7種類。

 

資格・検定試験名 資格・検定試験の実施主体名
ケンブリッジ英語検定 C2 Proficiency ケンブリッジ大学英語検定機構
C1 Advanced
B2 First for Schools
B2 First
B1 Preliminary for Schools
B1 Preliminary
A2 Key for Schools
A2 Key
TOEFL iBTテスト ETS
TOEIC Listening & Reading TestおよびTOEIC Speaking & Writing Tests 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
GTEC Advanced 株式会社ベネッセコーポレーション
Basic
Core
CBT
Test of English for Academic Purposes(TEAP) 公益財団法人日本英語検定協会
Test of English for Academic Purposes Computer Based Test(TEAP CBT)
実用英語検定(英検) 1級
(対象:「公開会場実施」)
準1級
(対象:「公開会場実施」・「1日完結型」)
2級
(対象:「公開会場実施」・「1日完結型」・「4技能CBT」)
準2級
(対象:「公開会場実施」・「1日完結型」・「4技能CBT」)
3級
(対象:「公開会場実施」・「1日完結型」・「4技能CBT」)
International English Language Testing System(IELTS)
(対象:「アカデミック・モジュール」)
ブリティッシュ・カウンシル

出典:ベネッセ

 

中には聞いたことのない物もありますね。

TOEICやTOEFL、そして英検なんかは有名ですが、それ意外ないまいち分かりませんね。

ケンブリッジの英検と普通の英検の違いとかよ―分からんです。

なのでそれぞれ軽く調べてみると

 

  1. ケンブリッジ英語検定
    • イギリスのケンブリッジ大学の一部門(非営利組織)が運営している物
    • 端的に言って英検世界バージョン
  2. TOEFL
    • 大学レベルの英語を使用および理解する能力を測定。
    • 学術的な課題を遂行する能力も評価。
    • 大学留学とかするなら必須とも言えるテスト
  3. TOEIC
    • 言わずと知れた世界的な英語能力測定テスト
    • 母国語を英語としない人対象
    • 近年では大企業の管理職に受験が課せられたりすることも
  4. GTEC
    • ベネッセが展開する英語試験
    • 下は小学生から上は社会人まで誰でも受験可能
  5. TEAP
    • 日本英語検定協会と上智大学が共同開発したテスト
    • 高校2年から受験可能。
  6. 実用英語検定
    • ご存知一昔前の日本で英語といえばこの試験
    • 大学によっては単位に認定してもらえるなど、今でも十分有用性はあり
  7. IELTS
    • ブリティッシュ・カウンシルとケンブリッジ大学英語検定機構が共同で開発したテスト
    • 英国初と言う事で、基本的にはイギリス英語で出題されるなど、若干雰囲気が違う

 

こんな感じですね。

良く知る英検以外にも様々なテストがあるようですね。

どこでも受けやすいという点では英検やGTECあたりになってくるのでしょうか。

 

英語民間試験はなぜ延期?延期までの経緯は?

こんな感じで、様々なテストから選択して受けるという形だったわけですが、今回は延期と言う事になりました。

 

延期のきっかけはやはり萩生田光一文科相の「身の丈」発言なわけですが、それをきっかけに問題点が噴出し、試験開始までに問題を是正する事が出来ないという事で延期となりました。

そもそも英語民間試験の発端ですが、2013年10月31日の教育再生実行会議第四次提言で示されました。

高等学校教育の質の確保と向上を目的とし、2014年の12月中央教育審議会答申、2016年3月の高大接続システム改革会議「最終報告」等を踏まえを経て、実施開始年度は2020年度で、2021年1月中旬に行われる2021年度大学入学者選抜からとなった

出典:wikiより

様々な会議を経て、決定した英語民間試験ですが、決定当初より次項に上げる問題が指摘されていたものの、のらりくらりと実施が決定され、まさに来年度からまさに実施と言う時に萩生田光一文科相の「身の丈」発言があり、一気に不満が噴出した形となりました。

 

萩生田光一文科相は、翌日には謝罪をしたものの、厳しい世論に押し負けるように英語民間試験は延期する事となりました。

 

そんな延期を決定づけた問題がとはどんまものか、以下にまとめます。

英語民間試験の問題点を分かりやすくまとめてみた

 

 

問題点1:場所による公平性は?

大学入試の代名詞とも言えるセンター試験は、かなり厳しいマニュアルで受験生の公平公正さを確保するようになっています。

例えば

  • 答案用紙が汚れてしまった場合の対処法
  • 受験生がティッシュを使用する際のマニュアル

など事細かに決まっています。

 

他にも女性の試験監督官は、ハイヒールが禁止(靴の音がうるさいため)

と言ったように、監督の服装1つとっても厳しいマニュアルが定められています。

 

こう聞くと、こんな厳しい基準を6団体全てが、全ての会場に対して確保できるのか疑問になってきますね。

試験によっては受験場所が高校と言う事もあるでしょう。

見知った先生が、見知った生徒を監視する。

場所によって雰囲気さえもまちまちになってしまう恐れがあります。

 

さらに不公平感で言えば、民間試験を実施する各団体は試験に対応する参考書・問題集を販売しています。

経済格差につながるのではないか。という批判が出てくるのもやむを得ませんね。

 

問題点2:費用負担の重さ

先程申し上げたように、英語民間試験全部で7種類あります。

7種類あるという事は、受験料ももちろん7種類あります。

5800円から2万5850円とその差は2万円となかなかの金額です。

 

2回の受験が必要なので、安くても1万2000円弱はする計算になりますね。

それに加えて交通費が発生します。

都市部に住んでいる受験生は特に気にする必要はありませんが、へき地や離島の受験生は、英語民間試験を受験するだけで長距離の移動と多大な交通費を支払う必要が出て来ます。

これがセンター試験なら一生に1回なのですが、入試には2回の受験が必要になってきます。

交通費も2倍…。そしてこの問題の火に油を注いだのが萩生田光一文科相の

人生で一回や二回は故郷から出て試験の緊張感を味わうのも大事

と言いう発言でした。

ご自身は東京八王子で生まれ育ち、小中高はもとより、大学も慶応大学と東京を出た事がない大臣の発言に、受験生からの非難が殺到しました。

 

問題点3:試験ごとの整合性は?

いくら全ての試験で「書く・読む・聞く・話す」の4つの能力をはかると言っても、難易度もそれぞれの比重もバラバラでしょう。

それらを複数導入して整合性が取れるのか、という疑問が英語教育の専門家から出ています。

問題点4:大学によって試験が違う

どの英語試験を入試で利用するのかは、各大学によってまちまちです。

そのため、行きたい大学の求める試験を受けるために、わざわざ遠くの会場までいかないといけない羽目に…。と言う事が起こりうるでしょう。

そうなってくると、問題2で提起した交通費などの負担に繋がります。

 

問題総評:欠陥だらけ

様々な問題を挙げてみましたが、実際それらを解決しようとすると、他の問題が浮き彫りになるなど、中々の欠陥ぶりを呈しています。

例えば交通費を抑えるために試験会場を増設するとなると、会場、人員の確保など費用がかさみます。

その費用をどこが負担するのか?

等の新しい問題も頭を出してきます。

仮に民間が担うとしたら、間違いなく受験費用が上がってくるでしょう。

交通費を抑えたけど、受験代が高くついた

なんて本末転倒もいいところでしょう。

 

ベネッセに文科省が癒着?OBが天下り!

英語民間試験の実施を推し進めていた背景に、あの巨大教育機関ベネッセコーポレーションとの関係を指摘されています。

その内容は

実施団体の一つベネッセの関連法人に旧文部省、文部科学省から二人が再就職していたことが明らかになった。野党は、英語民間試験導入の背景に官民癒着があるのではないかと追及した。

出典:東京新聞

と言う物。

また英語民間試験だけでなく、大学入学共通テストの記述問題の採点もベネッセが行う事が決まっています。

2021年1月に初回が行われる大学入学共通テストの記述式問題を巡り、大学入試センターの委託を受けて採点業務を行う事業者を選ぶ一般競争入札の開札が30日にあり、ベネッセグループ傘下でテスト採点を手がける学力評価研究機構(東京・新宿)が落札した。落札金額は約61億6千万円で、委託期間は24年3月末まで。

出典:日本経済新聞

こういった事に対し、ネットでは

  • ベネッセと癒着してる
  • 国とベネッセとの利権あさり

などと批判が出ています。

営利団体ですし、お金を求める事は悪いとは言いませんが、そこに人生がかかっている人たちがいる以上、もっと真摯な態度で問題解決にあたっていただきたいですね。

 

英語民間試験の再導入はいつ?

欠陥だらけですし、色々指摘されていますが、計画自体は中止ではなく延期です。

と言う事は勿論再導入を考えています。

 

再導入は2024年度としていますが、今後1年をめどに検討し結論を出すとしています。

現時点で分かる範囲でも問題だらけなのですが、これを1年そこらで目途が立てられるのでしょうか。

一応開始までは4年あるので、方向性を決めるだけでしょうが…。

 

受験生に試験以外の事で気を回させないようにしっかりとしてほしいですね。

 

まとめ

今回は延期になった英語民間試験についてまとめてみました。

問題点は

  • 受験箇所による公平性の不透明さ
  • 費用負担の大きさ
  • 試験ごとの整合性
  • 大学に合わせて受験しなければならない

等の問題が解決できていないため延期と言う事になっています。

 

今までも指摘されてきていましたが、萩生田光一文科相の「身の丈」発言で一気に坂を転がり落ちるように延期と言う事になりました。

 

ベネッセとの関係も含め今後も多くの問題が立ちふさがるかと思いますが、全ての受験生に公平にチャンス卯を与えられる試験になるよう望みます。