【最新】香港デモの経緯を分かりやすく解説!今後の見通しも予想!

※11月27日追記

こんにちは、椎木です。

6月に始まってから今でも収まる気配を見せない香港のデモ。

今日はこれだけ長引く香港のデモについて

  • 原因
  • 背景や経緯
  • 今後の見通し

を調べてみました。

香港デモの原因「逃亡犯条例の改正案」を分かりやすく解説

現在も行われているデモの原因となっているのが、「逃亡犯条例の改正案」が今年4月に香港の立法府に提出されたことでした。

※9月4日に改正案の撤廃が宣言されましたが、未だデモは収まりを見せません。その原因はあとで詳しく書きます。

この「逃亡犯条例」ですが、元々どういったものかというと

イギリス統治下の1992年に制定されたもので、「司法制度、刑罰の制度、人権が十分守られる政府とのみ犯罪人引渡しのできる関係を結ぶ」と強調しており、香港返還の後でも変わらないされていました。

香港返還後も、中国本土とは条例が結ばれることはありませんでしたが、香港の警察と中国の公安警察は相互に通知した上で国外追放という形で犯罪人引渡しを行ってきました。

2015年までに約170人を逮捕して香港の警察に引き渡した中国公安警察に対して、数こそくくないものの、香港警察側も中国公安警察への引き渡しを行っていた例もあります。

(※香港警察は2008年に六四天安門事件の中心人物の1人で、米国永住ビザを有する周勇軍を深圳に追放した例など )

改正案提出のきっかけは?

 

数の差こそあれ、一応はイレギュラーな形をとりつつ犯罪者を引き渡していた香港ですが、 昨年2月ある事件が台湾で起きます。

台湾へ旅行中の香港人カップルが浮気が原因で争いとなり、男性が恋人を殺してそのまま台湾で遺棄して香港へと帰ってしまうという事件でした。

彼女の家族が連絡がつかない事を不審に思い、香港警察へと届け出、彼女のキャッシュカードからお金を引き下ろした男性は窃盗の容疑で逮捕されました。

窃盗の罪で逮捕された男性の供述から、殺害と遺棄が判明したのですが、香港と台湾では犯罪者の引き渡し条例が締結されておらず、また犯罪発生の地域が香港でないことを理由に男性を殺人罪で追訴出来ないという後味の悪い物になってしまいました。

この事件を背景として香港政府は、犯罪人引き渡し協定がない国や地域への身柄移送ができない事態を解消するため、条例改正が必要だと主張しています。

このような事件背景に、香港政府は引き渡し協定を締結していない国・地域の要請に基づいて、容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例・改正案」を提出するに至りました。

逃亡犯条例・改正案は何が問題?

 

一見すると、まともな事を言っているのは香港政府のような気がするのですが、デモが起きるという事は、何かしらの問題があるということです。

香港の人々が抗議している一番の理由は引き渡し可能な国に

中国が入るから

でしょう。

なぜ中国が入ると問題なのかと言うと

香港は「一国二制度」で高度な自治が50年間認められているのに、条例改正により同制度が事実上崩壊する可能性が問題視されています。

香港政府は引き渡し対象となる犯罪を「7年以上の刑期を伴う最も重い犯罪容疑のみで政治犯に対しては適用しない」 などと限定しているものの、 中国では政治犯を別容疑で逮捕することも珍しくないため、実質的に香港市民も中国当局の取り締まり対象になる恐れがあるためです。

要するに、香港で中国共産党を批判したり、民主化運動を行えば、中国に身柄を引き渡される恐れがあるということになります。

引き渡された先が中国と言う事になると、裁判は勿論中国国内で受けることになります。

そういった懸念が主に問題視されています。

また香港の根幹をなす「一国二制度」が揺らぐことで、世界の経済・金融センターとしての地位低下も心配されていますが、すでに2カ月続くデモのせいで経済面では少なくないダメージが出ているという本末転倒な状況です。

香港デモの今までの経緯は?

 

収まる素振りを見せないデモですが、改正案の提出が為された3月頃から小規模なデモが続いていました。

2019年3月~5月のデモ:比較的穏やかな頃

 

2019年3月31日、民間人権陣線が香港で反対デモを実施しました。

デモ集団はサウソーン・プレイグラウンドから香港政府新庁舎まで移動、主催者発表で12,000人、警察発表で5,200人が参加しました。

4月28日、民間人権陣線が再びデモを実施しました。

デモ集団は銅鑼湾の東角道から立法会総合ビルまで移動、主催者発表で13万人、警察発表で22,800人が参加。

林鄭月娥の行政長官就任(2017年7月)から2019年4月までの参加人数が最も多いデモとなりました。

5月10日の夜、民間人権陣線は立法会総合ビルの外で改正案反対集会を実施。

立法会ビルの会議室に留まる民主派議員を応援する集会には、約1,000人が参加しました。

5月13日の夜、民間人権陣線のデモ参加者は再び立法会総合ビルの外で集会。

応援に駆け付けた市民と、警備員とが一時言い争いになる場面もありましたが、この当時は、数自体もそこまで多くなくまた暴徒化していなかったのが見て取れますね。

2019年6月のデモ:初の死者

風向きがおかしくなり始めたのが6月に入ってからでした。

法改正の動きが加速し、遂に6月9日に主催者発表で103万人、警察発表で24万人が参加した大規模なデモが起こりました。

しかしこのデモを受けてなお、香港政府は

6月12日の第二読会(審議会の事)の予定を変更せず、改正案にはいかなる変更も加えないと発表しました。

ここからさらにデモがヒートアップ。

12日の第二読会を阻止するべくデモ隊は夏慤道竜和道を占拠しようとし、対する警察はビーンバッグ弾で鎮圧しました。

これにより20人以上が負傷、そのうち多くが頭を撃たれ、その中でも香港電台の運転手1人は催涙弾が命中し一時は心臓が停止するほどの重傷を負うなど大きなニュースになりました。

このデモで警察は少なくとも11人を逮捕

さらに警察官を病院に派遣して、治療を受けているデモ参加者を逮捕しようとするなど対立は深まります。

余りの暴挙に、医界の数組織が合同声明を発し、警察官が医者や看護師を邪魔して治療を遅延させ、医界と患者の間の信用を破壊していると批判したほどの事件となりました。

デモの拡大を受けて

林鄭長官は6月15日の記者会見で逃亡犯条例改正案の審議を一時中断すると発表しましたが、完全撤回ではなかったことやデモ隊を「暴動」と呼んだことなどに対して、さらに反発が広がりました。

そして15日のデモに参加した男性がパシフィックプレイスの屋上から落下し、搬送先の病院で死亡し、デモ始まって以来初の死者が出ます。

民間人権陣線は6月16日にデモを実施。

主目的を逃亡犯条例改正案の完全撤回と逮捕されたデモ参加者の釈放と話が大きくなってきます。

主催者発表で200万と1人(「1人」は15日に落下死した男性の事)、警察発表で33万8千人のデモは収まるどころか激化の一途を辿ります。

2019年7月~8月のデモ:空港を占拠し世界的な問題へ

6月に激化したデモは7月になっても収まらず、デモ隊は7月1日の香港返還記念日に合わせて立法府を一時的に占拠します。

警察の機動隊によって排除されましたが、武力行使当然と行われるようになってきた折に再び大きな負傷者が出ます。

8月11日にデモに参加していた女性が右目を負傷。

デモ隊は講義を示す意味で右目に眼帯を付けるなどして、象徴的に祭り上げる始末。

そして8月の12日にはついに空港を占拠し、空港の機能までマヒする事態に。

これには全く関係のない外国人観光客なども迷惑する事となり、正直デモの目的としてはかなり悪手だったと思います。

さらに13日には中国メディアの記者が、暴徒と化したデモ隊に拘束され暴行を加えられるなど、どんどんエスカレートしています。

これに対して中国側は「ほぼテロだ」と強い非難を示すとともに、国境付近に武装警察が集結しています。

このデモを受けて、空港の特定のエリアへのデモ隊の立ち入りを禁止する、一時的な命令が出されました。「当局が指定したエリア以外での、いかなるデモや抗議行動への参加も制限」されています。

これにより一応空港でのデモは落ち着きを見せましたが、8月中も続くデモは収まる気配を見せませんでした。

 

2019年9月のデモ~逃亡犯条例改正案の撤回へ

9月4日についに林行政長官は条例改正案を正式に撤回しました。

しかし批判派は遅きに失し不十分だと指摘し、さらに条例の撤回だけでは不十分と、条例の撤回を含む5大要求の残り4つの承認を求めています。

※5大要求とは

  • 改正案の完全撤回
  •  警察と政府の、市民活動を「暴動」とする見解の撤回
  • デモ参加者の逮捕、起訴の中止
  • 警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査実施 
  • 林鄭月娥の辞任と民主的選挙の実現

残りの要求を通すために、9月中も事あるごとにデモが行われていました。

デモが続く中、9月26日には行政長官と市民との対話集会が初めて開かれました。……が、ご察しの通り話は平行線に終わりました。

2019年10月のデモ~実弾被害と覆面禁止法制定へ

10月1日、中国の建国70周年の記念パレードが行われたその日に合わせて、抗議活動が始まって以来最大級のデモと混乱が香港を覆いました。

そしてこの日、警官隊の発した実弾により、高校生が重体に陥る痛ましい事件まで起きました。

実弾で撃たれた

と言う事実の前後に何があったのかは、コチラを確認ください

1人の警官を追い回しリンチするデモ隊と、応援に駆け付けた警官隊との間での一瞬の出来事ですね。

この動画に関する私の見解はノーコメントで。

ちなみに撃たれた高校生の容体は安定してきていますが、撃たれた高校生は「暴行罪」などの罪で起訴される見通しとなっています

 

更に香港政府側は、マスクなどの着用を禁止する「覆面禁止法」を4日に制定しています。

これは、香港が緊急事態などに陥った際、行政長官に大きな権限を集中させる「緊急状況規則条例(緊急法)」によって即日制定されています。

緊急法は実に50年ぶりの発動との事なので、それだけ事態が切迫しているという事でしょう。

 

50年ぶりと言う事なので、香港返還後は初ですね。

覆面禁止法の狙いとしては、デモ参加者に顔を晒させることで、暴動のような行為に走りにくくする狙いがあると見られています。

「覆面禁止法」の発動は翌5日からですが、この制定を受けて、香港デモ隊は猛反発。

4日の抗議活動は苛烈さを極め、警官隊との衝突で14歳の少年が足を撃たれたという報が入ってきています。

 

またこの暴動により、地下鉄が閉鎖されるなど大きな影響が出ています。

6日の日曜日には地下鉄の一部がサービス再開を始めたものの、夕方近くには多くの商店は軒並みシャッターを下ろす状態など、依然として緊迫した状況です。

 

またデモ隊にタクシーが突っ込み、少女2人が怪我を負ったとの情報も入ってきました。

そのタクシー運転手は、デモ参加者によって車外に引きずり出され、袋叩きにされるという事態に陥っています。

 

負傷した少女も、リンチを受けた運転手も消防隊により救護されていますが、何故タクシーが突っ込んだのかは今のところ詳しい情報が入ってきていません。(情報が入り次第追記します)

怪我をさせたタクシーにも非はあるかと思いますが、かと言って袋叩きはやりすぎな気がします。

また、一部報道によると、突っ込む前からタクシーは包囲されていたという事なので、それが本当であれば、デモ隊には申し訳ないですが、突っ込まれても仕方がないのでは?と思います。

 

デモの激化が進む中、香港の民主化団体である「民間人権陣線」のリーダーが4,5人の暴徒に襲われハンマーで頭を殴られると言う事件が発生しています。

この方は8月にも暴徒2人に襲われたばかりなので、色々と闇深いものを感じますね。

殴られた方は病院に搬送されており、救急隊が到着した時点で意識があったとの事。

デモが激化する一方で、中国政府支持者と見られる勢力による民主活動家への攻撃の一環だと考えられています。

2019年11月のデモ~衝突激化・邦人の被害者発生

11月に入っても収まりを見せない香港のデモ。

11月4日には立体駐車場で意識不明の大学生が発見され、警察の追補から逃れようとして誤って転落したものと見られています。

大学生は病院に搬送されたものの、8日に死亡が確認され、その大学生の追悼デモが11日に早朝から香港全土で開催されています。

SNSを通じて、交通を妨害して政府や警察に抗議しようという呼びかけのもと、各地で道路を塞ぐ市民とこれを取り締まろうとする警察との間で衝突が起きました。

九龍半島では大学周辺で警察が催涙弾を使って強制排除に乗り出し、香港島東の住宅地でデモに参加していた男性が警官隊に撃たれて重体に陥るなど、かなり激しい衝突が各地で起きました。

11のデモのさ中、出張中の日本人男性(50代)がデモ隊を撮影していたところ、参加者から暴行を受けるという事件も発生しています。

命に別状はありませんでしたが、香港デモでの日本人の初の負傷者と見られ、世間に衝撃が走りました。

ちなみにデモ隊曰く「中国人と間違えた」との事ですが…兎に角危険には近づかないのが一番です。

 

翌12日香港警察は、香港全域で催涙弾やゴム弾など計3千発超を発射し、デモ隊の強制排除に乗り出しました。

香港中文大への警察の強行突入はニュースにもなったので有名でしょう。

警察は多数の催涙弾などを打ち込んでキャンパス内へ突入し、多くの学生を拘束しました。

学生側も火炎瓶を投げたり、矢を放ったりして対抗し、負傷者が続出する様は、「まるで戦争のようだった」と揶揄される程の衝突でした。

13日、激化の一途を辿る香港デモの影響で香港政府は、14日は全ての幼稚園と小中高校を臨時休校にすると発表しました。

およそ90万人に影響を及ぼすという事態に、香港政府は「デモの破壊行動は学習の権利を奪う」と猛烈に非難をしています。

 

14日夜、前日のデモでデモ隊が投げたと思われるレンガを頭に受け、重体となっていた70歳の男性の死亡が確認されています。

この時はデモ隊と市民との口論の最中の出来事だという事で、この件ではさすがにデモ隊を擁護しようがないですね。

17日、香港理工大学付近で、20代の日本人観光客が香港警察に逮捕されました。

詳しい容疑などは明らかになっていませんが、男性は17日の夜、香港ディズニーランドに行った帰りに、デモの様子を見に香港理工大学へと足をむけ、周辺で現地の警察に拘束されたということです。

外務省が抗議現場などには近づかないよう呼びかけを行っている中での逮捕に、ネットでは批判が相次ぎましたね。

ちなみに逮捕された大学生は既に釈放されています。

 

 

18日、香港高等法院は「覆面禁止法」が香港基本法(香港の憲法に当たる法律)に違反しているとの判決を下しました。

日本で言う所の違憲ですね。これを受け、香港警察は同法による逮捕を見合わせています。

 

香港理工大では11月20日現在もデモ隊による立てこもりが続いています。

香港の民主派デモの参加者の一部が大学キャンパスの占拠を始めてから既に4日。

警察に包囲された構内で立てこもる数十人を支持する者たちは、警察を混乱させるため、市内の鉄道路線を妨害しようとインターネット上で呼び掛けるなど、もはや何でもアリの状況です。

これ普通に生活しているだけの一市民からしたらたまったものじゃない気がするのですが…。

 

香港デモ今後の見通しはどうなる?

火炎瓶を投げたり、手に持った棒を振り回したりと、映像を見る限りデモと言うより、テロや暴動と言った方がしっくりくるくらい激しい物になって久しいですね。

実弾で撃たれた被害者に関する是非については……ノーコメントとしたいです。

1つだけ言えるのは、問題解決に際して暴力的な方法を選択した時点で、「民主主義」とは言えないでしょう。

 

暴力に訴えた以上、どちらも引くに引けない状況は変わらずですね。

行政側としては「逃亡犯条例」の撤回が「最大限の譲歩」だったと思います。

特に逮捕起訴の中止などを認めてしまえば

デモならば何でもしていい

と捉えられる恐れもあります。

香港市民の気持ちは痛いほど分かりますが、だからと言って暴力や破壊行為に走るのはまた別の問題でしょう。

 

暴動と呼んでも差し支えないデモの中、11月24日の日曜日に香港区議選が行われました。

この選挙は直接投票で区議を選ぶと言いうスタイルで、事実上香港の国民投票のように見られています。

結果はご存知の通り、改選前は親中派が7割を超える議席を持っていたにも拘らず、結果は民主派(デモ支持派)が8割を超える議席を獲得するなど、香港市民の感情はデモを支持していると見えます。

この選挙の結果が今後のデモに及ぼす影響ですが

デモが一層激化するのではないか

と見られています。

要は、今回の選挙でデモの目的に対して民意が得られた、「正義は我にあり」と言う事です。

 

民意が得られている以上、更に過激な行動に出ても世論が味方している。とデモ隊が考える可能性は低くはないでしょう。

 

個人的には一日も早い平和的な解決を望みますが、今後はもしかしたら人民解放軍の介入なども現実的になってくるかもしれません。

 

また情報が入り次第追記します。