検察官の定年延長はなぜ問題?検察庁法改正法をわかりやすく解説

新型コロナで世間が大変な中、

検察庁法改正法案

という法案が物議をかもしていますね。

多くの著名人もSNSなどで発信したりと結構大きな問題ですが、

ちょっと分かりにくかったりするので、分かりやすく調べてみました。

検察庁法改正法案とは

そもそも検察庁法とは

検察庁の組織と検察官の任命の手続について定められた法律です。

今回の改正法案の中で問題になっているのが

検察庁法22条

検察官の定年についての項目になります。

現行では検察庁のトップである

検事総長のみが65歳定年

他の検察官は一律63歳で定年と言う事になっています。

第二十二条 検事総長は、年齢が六十五年に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する

出典:検察庁法より

図にするとこんな感じ

検事総長を始め、次長検事や検事長といった方々も

内閣に任命(罷免)する権限があり、天皇が認証する認証官と呼ばれる特別な方々です。

それでも検事総長以外なので現行法では63歳で定年退職する事になっています。

今回問題になっている検察庁法の改正案は

これらの検察官の定年引き上げです。

具体的には

全ての検察官の定年を65歳まで引き上げます。

ただし、検事総長以外の認証官、次長検事や検事長は63歳でその役職を辞さなければなりません。

ようは役職定年ですね。

役職を辞した後は、通常の検察官として65歳まで職務に当たる事になります。

図にするとこんな感じ

ただし

何事にも例外と言う物がありまして・・・

改正検察庁法22条の2項に

国家公務員法81条の7の規定の読み替えによって、65歳定年の認証官に対し内閣の定めによってその職の勤務を1年延長させる事が出来る

と言う内容が盛り込まれました。

65歳定年の認証官って、検事総長だけじゃん。

他の認証官は63歳で役職定年じゃん。

と思いたいのですが、追加の項目は2項だけではありません。

22条の5項には

内閣は、63歳になった「次長検事」「検事長」を、職務の遂行上の特別の事情を勘案して、公務の運営上著しい支障が生じると認めるときは、その職の勤務を1年延長させる事が出来る

22条6項には

内閣は、64歳になった「次長検事」「検事長」を・・・以下同文

がそれぞれ盛り込まれました。

つまり65歳まで定年が延長された「次長検事」や「検事長」も

内閣が定めれば、66歳までその職を延長することが出来るようになりました。

図にするとこんな感じ

こんな感じで、定年や役職定年を最大で

66歳まで延長できるようにしましょう。

と言うのが検察庁法改正法案の内容です。

検察庁法改正法案はどこが問題?

検察庁法の改正法案についてどういった点が問題になっているのかと言うと、

検察への政治介入が強まるのではないか

という部分が主となっています。

具体的に言うと

現行の制度のように、役職での違いはあれど

例外なく(内閣の判断などなく)年齢で定年を区切っていたのは

「捜査権」「公訴権」を持つ検察官に対して独立性を保つためと言われています。

実際2020年の1月に提出された「検察庁法改正法案」の内容は

検察官の定年年齢の引き上げと、検事長などの役職定年を記載しただけの分かりやすい物でした。

ところが1月の終わりに

東京高検検事長の黒川弘務氏(63)の定年を半年延長する閣議決定を行った事から話がおかしくなってきました。

安倍内閣は

「検察庁の業務遂行上の必要性」を理由に、

先に挙げた国家公務員法の延長規定だと説明しました。

ですが、この国家公務員法の定年延長は

「検察官には適用しない」

とする政府答弁が1981年に出されています。

法的根拠の乏しい強引な定年延長は

黒川検事長を検事総長にするためではないか。

と見られています。

そんな事件があってから、出された改正法案が先に説明した

定年の延長だけでなく、内閣の判断による役職の延長も可能にした内容になりました。

この改正法案が

黒川検事長に対して行った脱法的な延長を、

後出しジャンケンで正当化するつもりじゃないのか。

と言う具合に更に油を注ぐ事になっています。

脱法的な延長に加え、後出しのように正当化する法案の提出で

最初に述べたように

検察への政治介入が強まるのではないか

時の政権にとって、都合のいい人材だけをトップに長く据えるつもりではないのか。

という事が問題視されているのが現状です。

検察庁法改正法案の問題点を分かりやすく解説のまとめ

今回は検察庁改正法案の問題点を分かりやすく解説してみました。

元々は内閣の判断など入り込む余地がなかったはずの

検察官の職務期間に対して、内閣の判断で延長出来るという点が

政治の介入が強くなるのではないか

と言う懸念が問題視されていました。

さすがにそこまで露骨なことは・・・と言いたい所ですが

実際に法改正がされるより先に延長された方がいらっしゃるので

何とも言えない所ですね。