真面目にコツコツと生きてきて早ウン十年。
警察屋さんのお世話になることも、角を立てて生きてきたこともない私からしたら、Maxで意味が分からない制度
恩赦
え?犯罪を犯したんですよね?
道を外れたんですよね?
何故そんな人がいい目を見て、善良なる市民が割を食うのか全くもって意味が分からないので
- 意味
- 由来
- メリット
何かを調べてみました。…もちろんメリットは私たちのような一般市民に対するメリットですよ。
恩赦の意味や由来とは
そもそも恩赦を簡単に説明すると
政府(行政権・議会)により刑罰の全部又は一部を消滅もしくは軽減させる制度のことです。
この時点ですでに意味が分からないですね。
刑罰は司法の領域じゃないですかー。
なに行政が出張ってんですかー。
と言いたくなるのですが、最も大きな恩赦の意味合いとしては
代替わりに際して、前君主における悪政とされるものを実質的に正す
と言えるでしょう。
分かりやすい例で言えば、天下の悪法「生類憐みの令」でしょうか。(最近では再評価されてきていますが……)
なんせ
自宅の前で犬同士が喧嘩して死んでしまった
とかいう訳の分からない理由で、閉門という自宅謹慎処分になるくらいです。
(自宅謹慎とはいえ、トイレ等を除き他の部屋へも行けない、来訪者も受け入れられないとかなりハードです。)
この様な、いきすぎな法律で罰せられた人を救済する目的では、意味が見出せますね。
ただこれは恩赦の権限が「君主」にあった昔の出来事です。
現在の議員立法制度、三権分立の制度から見ると、そういう状況を探すのはかなり難しい気がしますね。
現在で恩赦をする意味を見出すなら
- 冤罪の救済
- 社会情勢の変化による事情の変更
などでしょうか。
冤罪は無実の人が罪に問われるという物なので、ここだけ見ると確かに価値はありそうです。
社会情勢の変化による事情の変更ですが
当時は犯罪だったけど、今はそうじゃないからOKだよ。ってことですね。
うーん。ちょっと探すのが難しそうですね。
ただ、現在における恩赦は上に挙げたような意味を見出すより、どちらかと言うと政治的な意味合いが見え隠れしてしまいますね。
公職選挙法違反や、政治資金法違反者への恩赦などがある以上、どうしてもそう取られがちです。
閑話:恩赦の種類とは
一口に恩赦と言っても、いくつかの種類があります。いわばグレードですね。
一番上から見ていくと
- 大赦(恩赦法2条、3条)
一定の犯罪者全体について、刑を消滅させるものである。有罪の言い渡しを受けた者についてはその効力が失われ、受けていない者に対しては公訴権が消滅する。 - 特赦(恩赦法4条、5条)
有罪の言い渡しを受けた者の内、特定の者について有罪の言い渡しの効力を消滅させるものである。 - 減刑(恩赦法6条、7条)※1
- 一般減刑
- 特別減刑
- 刑の執行免除(恩赦法8条)
- 復権(恩赦法9条、10条)
- 一般復権
- 特別復権
- ※1裁判所が刑を言い渡す際、量刑を軽くすることは「減軽」なので、恩赦の一種である「減刑」とは異なるのでご注意を。
過去の恩赦の例を見てみると
平成元年2月の「大喪の礼」に際した、「政令恩赦」は、「大赦」がおよそ2万8600人、「復権」がおよそ1014万人に行われ、「特別基準恩赦」は、「特赦」が566人、「減刑」が142人、「刑の執行の免除」が56人、「復権」が25人に行われました
出典:NHK
大赦が3万人近くとかマジで意味が分かりませんね。
ちなみに令和の即位礼で行われる恩赦は「復権」に限定して行われます。
国民感情を考慮してとの事らしいですが、考慮するなら止めたらいいのに。と思うのは私だけではないでしょう。
恩赦を行うメリットは?
正直市民からしたら意味が分からないだらけの恩赦ですが、やるからには何かしらのメリットがあるのでしょう(もちろん善良なる市民に)
法務省が語る恩赦の意義に
法務省は、恩赦の意義について「有罪判決を受けた人の更生の励みとなり、再犯抑止の効果も期待できるなど、犯罪のない安全な社会を維持するために重要な役割を果たしている」としています。
出典:NHK
何をたわけた事を!
と言いたいのですが、少し落ち着いて考えましょう。
更生の励みとは、仮にしっかりと更生し、第二の人生を歩んでいる方が「前科者」として足かせがあるから大変。
と言う場合などでしょうか。
……正直言って、犯罪を犯す方が……と言いたい所ですが、諸般の事情を知らない第三者が口を出せる事ではないので、ノーコメントとしておきます。
ただ、そうであるならば一定の規定を設けるべきですね。
曖昧な規定や、どういう方が恩赦を受けるのか国民への説明が必要でしょう。
また今回行われる「復権」ですが、有罪になった事で制限されていた資格を復帰させることが目的ですね。
前科があると資格制限にひっかかる可能性のある職業(公務員など)があるので、その制限が撤廃されるのは喜ばしい事なのでしょう。(恩赦を受ける人によっては)
分かっていたことですが、我々一般市民には特段メリットはないですね。
最も大きなメリットは
恩赦を受けた人間が現政権に恩を感じる事でしょう。
支持率がアップするかもしれませんね。
正直言ってこんな法律無くしてしまった方がいい気がしますが、それをするには恩赦法を廃止にする法案を通す必要が……と気が遠くなりそうです。
まとめ
今回は意味の分からない時代錯誤Max制度「恩赦」について調べてみました。
元々は全君主の代に理不尽を受けた方々の救済など、ある程度の効果はあったでしょうが、現代ではいまいちピンときませんね。
我々一般人にもメリットはないですし、天皇陛下の即位は心から喜ばしいですが、それに水を差すような恩赦は止めて欲しいです。