佐野SAストライキ|現在までの経緯と理由を分かりやすくまとめてみた

こんにちは。

2019年の夏に世間を賑わせた佐野サービスエリア(以下佐野SA)でのストライキ。

東北自動車道の中では屈指の駐車台数を誇る巨大なサービスエリアだという事に加え、ちょうど夏休みの期間中だったという事もあり、連日ワイドショーを賑わしていましたね。

 

一旦は解除されたストライキだったのですが、どうやら再び労使間での決裂が始まっているようで、すでに2度目のストライキに突入しています。(限定的なストライキですが)

 

正直問題が長期化し、話がこじれすぎてよく分からなくなったので、原因や経緯をまとめてみました。

 

佐野SAストライキの経緯~ストライキが起きた理由は?

まず、事の発端から見ていきましょう。

事件の発端は、夏の日差しが残るお盆の真っただ中、2019年8月14日未明にとある張り紙が佐野SA(上り)の売店やレストランに張り出された事からでした。

おいおいおい。マジかよ…佐野ラーメン食いに来たんだけど…

 

という利用者の困惑に加え、平成・令和と近年労働者によるストライキ自体が珍しかったのもあって、一気に事件が広がりました。

 

そんなストライキを実行に移した背景ですが

部長の不当解雇の撤回

を求めて、従業員の殆どが参加して実施されていました。

この不当解雇されたと言われる部長は加藤正樹氏と言う方。

 

なぜ部長が解雇に?あんなに良い人だったのに…

加藤正樹部長が解雇された背景には、佐野SAを運営するケイセイ・フーズの親会社である片柳建設の資金繰り悪化がありました。

2019年6月20日には、片柳建設のメインバンクが

「もうお金はかしません」

と新規融資を凍結。

「お金がないので、納品された商品代金が払えません」

と返済を滞納。

その結果、2か月後の2019年8月初旬にはバックヤードからほとんどの商品がなくなるという異常事態にまで陥りました。

 

「なんもあれへんやん!」

とクレームを受けるのは社長ではなく従業員たち。

商品が無いので、売り上げもない。と言う事は私たちの給料も…

と、従業員のフラストレーションはたまる一方。

 

そんな状態を打開すべく2019年8月5日に、加藤正樹氏が社長に直談判し、銀行から何とかお金を借りられるよう事業の見直しと、取引先への商品代金の前払いと、従業員の給料の保証をまとめて覚書へのサインを取り付けました。

ところが8月9日には岸前社長から「事業が苦しいので、取引先との覚書の内容を緩めて欲しい」と依頼が。

 

それに対して加藤正樹元部長は8月13日に

「お盆の期間中は忙しいので無理です」

と返せば、社長は

「ならばお盆が明けの20日からだな」

と覚書の変更をする事前提で返す始末。

 

そのやり取りでヒートアップし、埒が明かないと加藤正樹氏が「今日は帰らせてください」と事務所を出たところ、追いかけてきた社長に解雇を告げられました。

 

加藤正樹氏の言葉を借りるなら、従業員や取引先のために身を粉にして調整にあたっていたにも拘らず、自分本位の社長の一言で解雇された事になります。

 

 

佐野SAストライキの経緯~一部での営業再開

お盆の真っただ中に、久しぶりに聞くストライキのニュースは瞬く間に全国のお茶の間を賑わすことに。

事態を重く見た社長サイドは、8月15日に会見を開き

「仕入れ業者との注文の食い違いがあり、社員の不当解雇というのがありまして、それでストライキになりました。すでに昨日の段階で、解雇は撤回しておりまして、一刻も早く再開できるようにしたいと思っています」

とまさかの解雇撤回宣言を出しました。

この解雇撤回宣言に対して加藤正樹氏は

「8月15日の会見後、突然コミュニケーションもなく『解雇撤回』のメールが届きました。それは私にではなく世間を意識して言ったものだろうなと思いました。それに撤回と言われただけで会社に来いとは言われていない。ですので今も不当解雇されているという認識です」

と断固抗戦の姿勢を示し、両者の対立は解消されませんでした。

 

加藤正樹氏を懐柔できなかった社長サイドは新たなスタッフを動員し、8月16日からレストランなどを除く一部の売店などで営業を再開。

またこの騒動に関して社長からは「新たに頑張っていく」とコメントが出されましたが

「根本的な解決にはなってない」

と批判が集中する羽目になり、長期化の様相を呈してきたストライキへの注目はかなり高くなってきていました。

 

佐野SAストライキの経緯~泥沼の戦いへ~

従業員の意見を受け入れることなく、臨時の従業員でその場を凌いでいた元社長と、従業員側との会談が8月19日に開かれました。

が、結果は溝を深めただけ。

社長に対する不信感を強めたとして、元従業員たちは8月25日に刑事告発に打って出ました。

 

告発の理由は「融資詐欺」。

この融資詐欺のせいで、片柳建設は新規融資を凍結され、佐野SAは結果的にストライキに至る羽目になったと加藤正樹氏がご自身のFacebookで群馬銀行相手に公開質問状を叩きつけています。

<公開質問状>
群馬銀行 御中

貴行は片柳建設グループ(佐野SA運営会社ケイセイフーズ所属)に20億円以上貸し付けているメインバンクです。

以下、公式のメールアドレス窓口やお問い合わせフォームが無く、電話連絡もなかなか取れないため、やむを得ず、公開の場で質問をさせて頂きます。

■片柳建設グループに対する新規融資凍結
2019年6月20日から、私が知るかぎり直近まで、片柳グループは貴行から、新規融資凍結の状態が続いています。

2019年7月にケイセイ・フーズに7000万円の融資を頂く予定だったことが中止、佐野SAの軽食・厨房のエアコンをぐんぎんリース経由で調達することも不可能になりました。

群馬銀行佐野支店の応接室で、私は4月ごろから、支店長、次長、担当者と何度も何度も相談していました。そのときの内容を覚えていますよね。

■新規融資凍結の理由
「岸敏夫氏の犯罪」。具体的には、融資詐欺
当初の佐野支店長は、事実を率直に認め、迅速に対応をしてくれました。

ただ、私たちからすると、告訴ではなく、新規融資停止のみだったことが想定外。

ケイセイフーズは「現在進行形の犯罪者」岸敏夫氏が社長。
この社長を支えていかないと、従業員や取引先に迷惑がかかるという、苦しい日々が始まりました。

「夫婦で全株を持っているオーナー社長」というだけで、ここまで権限が強いというこの国の現実、そして何ひとつ逆らうことができない絶望(私たちは、ストライキなどしたくなかったんです)・・・そう、思い知らされる日々のはじまりででした。

■教えて頂きたいこと
貴行はどんなに遅くても6/15ごろには、岸敏夫氏の犯罪を認知しています。
それから3ヵ月以上が経過しても、告訴をしない理由を教えてください。

「融資だけ止めて、できるだけ多く回収する」という姿勢は、営利企業として理解しますが、社会的にもこれだけのニュースとなり、事ここに至った今でも、表向き、一切の対応をしない理由を知りたいのです。

「コンプライアンス上問題ない」というのなら、そう仰ってください。
こちらも証拠を世間に向けて公開する準備はできています。

今、私とAさんの身が危険に晒されていることをご承知おきください。

一刻も早い回答・対応をお願いいたします。

加藤正樹(佐野SA労働組合所属)

出典:Facebookより
なぜこんな遅いタイミングでの告発になったのかと言うと、加藤正樹氏のストライキに協力しているA氏と言う方が前社長の指示で帳簿などをつけていたため、その人にまで逮捕が及ぶのを避けたかったからだそうで…。
何だか少しうさん臭い気もしますが、まあ警察に届けるくらいだし、事実なのでしょう。
従業員側が刑事告発に出たかと思えば、会社側は
「損害は1日800万円はくだらない」
と損害賠償請求をにおわせるようになるなど、事態は完全に泥沼化していきました。

佐野SAストライキの経緯~ストライキの収束へ~

泥沼化、長期化していた佐野SAのストライキですが、9月も半ばを過ぎたころに急展開を見せます。

9月19日までに会社側から「岸社長は退任するので戻って欲しい」という連絡が労働組合側に入りました。

もちろんこれには加藤正樹氏も含まれています。

ただし、加藤正樹氏は部長職を辞職する事。という条件付きでした。

 

それでも用意した闘争資金の枯渇に加え、従業員の今後を考えるのならばと、ストライキに参加している従業員の復職が果たされることになり、9月の22日の午前6時から従業員たちが職場に復帰しました。

実に39日と3時間に渡る長期間ストライキは岸社長の退任と、加藤正樹氏の部長辞職と言う形で、終わりを迎える事となりました。

 

佐野SAストライキの経緯~再びストライキへ~

岸社長に変わって、新社長に就任したのは福田伸一氏。

当初は労組との歩み寄りも見せていたはずの福田社長でしたが、事態は急変していきます。

福田社長と具体的な労使の合意を進めようとすると、時間稼ぎをされているとしか思えない対応をされ、書面1枚交わせないまま1カ月が経過してしまいました。その頃には、従業員たちのいる前で『加藤の退職を要求する』と強い口調で言われるようになり、復帰当初の発言は嘘だったのだと疑わざるを得ない状況になってしまいました。

出典:文春オンラインより

書面が交わされない不安定な状態に加え、加藤正樹氏によると社長直々に

「自発的に辞めてくれ」

「あなたのやっていることは従業員の雇用を失わせるものだ」

と言われる事もあったそうです。

 

そんな険悪ムードの中でも会社側は、佐野SAを管轄するネクセリア東日本に対して「労使円満」だと報告しているとも述べています。

「組合と会社の労使問題は何も解決していない状況なのに、福田社長はネクセリアに『全部解決して前向きに頑張っています』と、嘘の説明しながら契約交渉を進めている。このまま業務委託契約が更新された場合は、岸前社長の夫人ら旧経営陣が来年4月以降も残る可能性があり、従業員からすれば恐怖でしかありません」

出典:文春オンラインより

 

事態を重く見た労働組合側は、10月27日に臨時会合を開き会社側に対してストライキの正当性を求める内容や、前社長夫人の退任を要求する意見書を提出。

提出した意見書の一部は通ったものの、全てを容認してもらう事が出来なかった組合側は11月1日より

レストラン限定で、毎日午前7時から8時の1時間のみ。お客様がゼロという日も多い時間帯でストライキを実施する

旨を決定し、実行に移しています。

 

影響の少ない時間帯を選んでのストライキが続く中、遂に会社側が動き出しました。

 

佐野SAストライキの経緯~加藤正樹氏再解雇~

限定的なストライキが続く中、会社側は12月2日付で加藤正樹氏を再解雇しました。

解雇の理由として

加藤氏が取引先に対し本来支払うべき金額よりも少ない仕入れ代金を支払ったり、労使交渉の様子を撮影したデータを報道機関に渡したりしたため、総務部長としての「能力や適格性を欠く」とし、解雇には正当な理由があると主張している。

出典:ライブドアニュースより

これに対して加藤正樹氏は

  • 仕入れ代金は支払いミスであり、すでに是正していること
  • データの譲渡は公益性があると判断したこと

と反論しています。

 

今回の再解雇を受けて、労働組合側がどう動くかは分かりませんが、再び泥沼化しそうな雰囲気ですね。

 

まとめ

今回は長期化して収まったかに思えたものの、再び噴出してきた佐野SAストライキ問題について経緯をまとめてみました。

渦中の元部長が再解雇されたことにより、問題がこれからどうなっていくのかは分かりません。

今後情報が入り次第追記していきます。