こんにちは!
大坂なおみ選手の優勝で盛り上がった東レ パンパシフィック オープンテニス トーナメント(東レPPO)ですが、優勝者に贈呈されるトロフィーがなんと
漆器の皿
という他に類を見ない珍しさです。
日本で開かれる大会なので、日本らしさが出ていてとてもいいのは勿論ながら、普通に芸術品としても素晴らしい出来ですよね。
そんな美しい漆器の優勝杯が気になったので調べてみました!
【テニス】東レのトロフィーはいつから漆器の皿?

見事な大皿ですね。
日本を感じさせる粋な優勝杯ですが、このタイプになったのは2003年以降です。
なぜこのタイプの優勝杯になったのか、理由は分かりませんでしたが2003年大会は東レPPOの記念すべき第20回大会と言う事で、その辺りの記念になるように優勝杯の変更が為されたのかもしれませんね。
正直普通のトロフィーを貰うよりは部屋に飾ってもカッコいいですし、外国の方なら尚の事嬉しいのではないでしょうか。
そんな優勝杯ですが漆器と一口で言っても北は青森の津軽漆器から南は沖縄の琉球漆器までかなりの数が有るわけで……
東レで採用されている漆器の皿はどこで作られているのか気になったので更に調べてみました。
東レの優勝杯漆器の皿はどこで作られている?

懐かしいロシアの妖精「マリア・シャラポワ」も獲得した優勝杯。
日本におけうる漆器と言えば、三大漆器と言われる「山中漆器」、「会津漆器」、「紀州漆器」と誰でも聞いたことがある「輪島塗」が有名ですね。
この辺の有名どころの特徴と、優勝杯を見比べてみると
山中漆器
石川県山中地方を代表する有名な漆器ですね。
最大の特徴としてはその木目でしょう。
挽物木地の木目を生かす拭き漆の漆器を得意としていて、他の産地にはない独特の風合いが魅力です。

勿論木目を活かしたものばかりではありませんが、折角の優勝杯ですから最大の特徴を無くすというのは考えにくいですね。
……優勝杯を見る限り、そういった木目は見当たらないので山中漆器の可能性は低いですね。
会津漆器
福島県会津地方で作られる漆器で、松竹梅と破魔矢を組み合わせた模様は会津絵と呼ばれる程有名な漆器です。
会津漆器の特徴は縁起のいい意匠とその美しさでしょう。
加飾の技法として「消し粉蒔絵」というメチャクチャ小さい金粉を、乾いていない漆に真綿で伸ばす方法が代表的な技法として有名です。
薄く引き伸ばされるので、非常に美しい「絵」のような見え方をするのが特徴ですね。

これを踏まえると優勝杯の「桜」の加飾などは「消し粉蒔絵」には見えないので、会津漆器も可能性としては低そうです。
紀州漆器
和歌山県は海南市黒江地区を中心に作られる漆器です。黒江塗とも呼ばれていますね。
紀州漆器と言えば、シンプルで日常遣いに最適な所が特徴ですね。
塗りで言えば朱塗りの表面から下地の黒が浮き出た文様、「根来塗」が有名です。

紀州漆器=根来塗ではないですが、特徴を隠す必要はなさそうなので、やはり可能性は低いでしょう。
輪島塗
輪島塗は誰でも聞いたことがあるくらい有名ですね。
特徴としては輪島地方でしか取れない良質な地の粉を使用した強固な下地。
そしてその下地が可能にする見た目の美しさと、その強固さでしょう。
100以上の工程を経て初めて世に出されるという事でも有名ですね。
金粉銀粉を用いた見た目の優美さに加え、耐久性と寿命の長さはまさしく優勝杯にピッタリっぽいですね。
実はここで作ってました
東レPPOの優勝杯は輪島塗で決定か……!
と言いたい所ですが、実は東レPPOの優勝杯はこのどれも違いました。
東レPPOの優勝杯は京漆器で作られています。
京漆器とな?
と思われた方のいらっしゃるかと思いますが、その名の通り京都周辺で作られる漆器ですね。
茶の湯とともに進化してきた漆器で、「わび・さび」などの内面的な美しさも持ち合わせています。
京漆器の特徴は、他の漆器と比べて木地が薄く繊細な雰囲気です。薄いと言っても脆い訳ではありません。
その薄さは京漆器のもつ繊細さを強調するために辿り着いた境地と言えるでしょう。
東レPPOの優勝杯は、そんな伝統ある京漆器の中でも老舗の「象彦」で作られたものになっています。
京漆器「象彦」とは?
象彦は寛文元年、1661年に創業した350年以上の歴史を誇り、京都上京区に本社を、そして寺町に本店を構える老舗中の老舗です。
東京にも営業店がありますね。
それ以外でも百貨店などでも取り扱いがあります。
京都
- 京都高島屋 6F
- ジェイアール京都伊勢丹 8F
- 細見美術館ミュージアムショップ ART CUBE
- 京都岡崎蔦屋書店
- 若王子倶楽部 左右
東京
- 銀座三越 7F
- 日本橋高島屋 7F
- 新宿高島屋10F
- 伊勢丹新宿店 本館 5F
- 西武池袋店 7F
- 東急本店 6F
- マークスタイルトーキョーginza six店
- 東京国立博物館ミュージアムショップ
大阪
- 大阪高島屋 6F
- 大丸心斎橋店 北館 6F
岡山
- 天満屋倉敷店 5F
- 天満屋岡山店 5F
島根
- 一畑百貨店 5F
広島
- 広島・アルパーク天満屋店1F
- 天満屋福山店 6F
福岡
- 福岡三越 8F
熊本
- 鶴屋百貨店本館 5F
創業してから、歴代当主は漆器の輸出や京都蒔絵美術学校の設立など京漆器の先駆けとして数多くの功績を残しています。
今日では老舗にありながら、蒔絵の高級品だけでなく、日常使いの食器やインテリアなど幅広く展開し京漆器を馴染み深いものにするなど今も京漆器の普及に活躍されています。
また、新たな可能性として、海外企業やクリエイターとのコラボレーションも積極的に行っています。
京漆器魅力を世界に向けて発信し続けるのは創業から変わらぬ心意気ですね。
そんな京漆器の老舗「象彦」の商品ですが、近くに取り扱い店舗がなくとも、ネットで買うことが出来ます。
お菓子などを出すお盆ですね。
ちょっとした来客などで、そっと出てきたらお洒落ですね。
シンプルなタイプもあります。
ケーキ皿なんかもありますね。
漆器で食べるケーキと言うのも風流でいいのではないでしょうか。
【テニス】東レのトロフィー漆器皿の優勝杯はどこが作ってる?のまとめ
今回は東レPPOでの優勝杯について調べてみました。
他に類を見ない美しい優勝杯は、京漆器の老舗によって作られた芸術作品でした。
その優雅さと繊細さは優勝者にふさわしいのではないでしょうか。
大坂なおみさんも嬉しそうでしたし、日本らしくて、めちゃくちゃいい優勝杯だと思います!
もっとこういう優勝杯やトロフィーが増えると良いですね。